forest bath

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この計画は「家型に三角形平面を穿つ」という操作により、斜め方向へ空間がぬけていく開口を獲得した、森の中の別荘である。

クライアントの要望は、何か特別なことをするというよりも、思い思いに森のなかに身をさらし、木や木洩れ日をぼんやりと眺めて過ごすような夏の別荘がほしい、とのことであった。

敷地は、比較的平坦なため、崖地などのように特定の眺望が開けることはないが、10m以上に育った大きな唐松が美しい。

唐松の枝は低いところにはなく、6mぐらいから枝がはじまる。その高さは、水平方向を見る開口ではつかまえることができない。別荘の定型として、2階リビングで木々を間近に見る構成があろうが、ここでは2階からも唐松の緑の高さには到達できないと判断した。そこでクライアントが高齢であることも考慮し、早々に1階に主室の構成で、自然を豊かに享受する方法がないものかと検討しはじめた。最終的には水平方向に視線を向けるのではなく、斜め上・斜め下に視線が向かう構成を見出した。

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また敷地周辺は、他の別荘との間隔が意外と近い。それらとの直接的な視線のやり取りをできるだけ避ける・・・その鬩ぎあいの中で、逆三角形の下は閉じながら上に向かって開くという形が選ばれた。この逆三角形は、木々の枝ぶりが、上に向かって伸びやかに開いていく様子にも良く重なりあった。

三角形に穿たれた中央の部屋には、高い位置から木の陰が映りこみ、それが時間とともに刻々と変化する。自然の表情は、白いキャンバスの上に木陰・光といった形で変換され表現される。中庭において、自然との距離感は場所のとりかたで調節され、奥行とともにフィルターのかかったような空間体験となる。季節や日差し、時刻など環境のさまざまな表情によって、居場所が見出されることであろう。

一方で、両翼の部屋(寝室・浴室)は中央の部屋と対比的にうす暗く、まわりこんでくる光の強さによってほのめく。低い軒によって、視線は森の下草へと向かう空間となっている。 (生田京子)  

2008年 「SD review 」鹿島賞(forest bath) >>
2010年 INAXデザインコンテスト 銅賞 >>
2011年 中部建築賞 入賞 >> 
2012年 日本建築家協会優秀建築選100選 >> 
2012年 グッドデザイン賞 >> 

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