おすすめ映画 THE WALK ザ・ウォーク

9.11同時多発テロによって失われてしまったワールドトレードセンター(WTC)。15年以上前に訪れた時、その巨大さにめまいがしたのを覚えている。低層から高層部まで効率的で均等なプランはミースファンデルローエのシーグラムビルと並びモダニズムの究極の形だった。WTCはその天を貫くがごとき高さと非常にシンプルな箱状の建物二本が平行に、そしてズレるところに特徴がある。ズレているのはいろいろ理由があるとは思うが、このズレがこの建物を単なる力の象徴的なものにしていないような気がしていた。

巨大さというのは畏怖の念を人に与える。私はこの建物を訪れたとき畏怖の念を感じながら見上げ、建物の周りに配置されたリブのような柱にそっと手を触れた。この映画では主人公が顎をこのリブにつけて見上げるシーンがあり、あのときを思い出しちょっと嬉しかった。このとき建物の中には入らなかったのが今となっては残念で仕方がない。(セキュリティーで入れなかったもしれないけれど。)なので、この映画を見たかった理由はこの建物をもう一度IMAX3Dと言うリアリティがある映像で追体験したかったのと、内部と屋上からの景色はどんなものだろうと言う好奇心からだった。

そのWTCの映像、予想通り素晴らしかった。天を貫く巨大さが結構うまく表現されていてリアリティを感じる出来。CGには全く見えない。工事中の部分の映像もあり、「おお!ちゃんと外壁沿いに柱が並んでいる〜」とかまあ設計者しか分からないところで喜んだりしてかなり満足。もっとじっくりゆっくり見せて欲しかったけれど…それはストーリー上無理な話なので。

さて、映画の話ですが、ネタバレするといけないので具体的には書けないですが、なかなか良い脚本になっていて、最後まで飽きずに見れます。もちろん最高に盛り上がるのはWTCを渡るとき。ですが、それまでの準備も丁寧に描かれていてまるで共犯者の気持ちになれます。

その綱渡り。そもそも違法行為なんだけれど、主人公はそれをアートであると宣言する。アートなら何をやっても許されるのか?そんな議論がよくあるけれど、場合によっては許される、きちんと書くと法的には処罰されるけど社会的には認められることがあるということを、とりあえずは証明しましたね。どこかそれを許してしまう大らかな社会風潮は微笑ましというか。今の日本では考えにくいかな。で、建物も含めて全てが桁外れの状況なんだけれど、実話ということで、納得するしかないというか。そしてありがちだけど夢を実現するためには決してあきらめない主人公の姿勢にはなんというかウンザリするほどの尊敬に値するというか。笑

肝心の綱渡りの映像?何を隠そう高所恐怖症なのでリアリティ満点のIMAX3Dでは出来ればそのシンーンは見たくないのが本当のところでした。で、地上414mの綱渡りは…

 

苦痛…ただ苦痛…

 

 

IMAX3Dは没入感がすごいため高所恐怖症にとってはもう苦痛以外の何物でもありません。手に汗が出てくる出てくる。〇〇も縮み上がる。もうとにかく「早く綱渡り終わってくれー」と心底願いましたよ。その願いは打ち砕かれましたけどね。以前見たエベレストも辛かったけど、これはさらに上に行ってますね。高さは1/20ですが。と言うわけで超高層モダニズム建築を堪能したい方、孤高のアーティストが生息するスリリングな世界を味わいたい方にオススメです。(IMAX3Dで見ることをオススメしますが今日までなんですよね….)

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