先日、銀座のソニーパークに行ってきました。
→ https://www.ginzasonypark.jp/
かつてここに建っていた、芦原義信氏設計の銀座ソニービルは、非常にチャーミングな建物で長く銀座の顔でした。建築を志す前から、高校生の自分もソニービルに行き、ちょこっと地下のソニープラザで買い物をして・・・という風に過ごした思い出の場所です。それが取り壊されると聞いた時、ああここもまた経済の力には抗えないのか・・・。と思いました。
今回のソニーパークのプロジェクトは、そのソニービルの地下部分だけを残して地上には新たに別のビルを建てると言う過渡期状態がパークとして公開されているものです。
見てきての感想は・・・・まず地上と地下がダイナミックに接続される感じは圧倒的です。それにより、地下から地上までの空間が様々なイベントスペース、カフェスペースとして活用されている姿を見ることができました。
また初めて来た人にも「ここに確かにソニービルがあったのだ」と感じさせる、過去のもののリノベであることを示唆する意味で表の化粧材を引き剥がし、空間をあらわにしているあたり、強い意思を感じさせるデザインです。
でも、昔ここにソニービルがあったことを良く知る人から見ると、ちょっと寂しい・・・。表層が剥がされ過ぎていて、ソニービルの華奢なディテールや雰囲気も削ぎ落とされた印象です。唯一昔を感じたのは、この曲がりくねった階段とその手摺の部分です。
昔と今をつなぐリノベーションデザインって難しい。
昔の空間の良さをどれだけ残して、どれだけ手を加えて、その+ーでいかに新しい空間価値へと転換できるか・・・・。色々と考えさせられた体験でした(by 生田)。